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メルマガvol.123『ポルノ被害の声を聞く デジタル性暴力と#MeToo』出版のお知らせ



2022年5月17日に岩波書店から『ポルノ被害の声を聞く デジタル性暴力と#MeToo』という新刊を出版しました。この本を書き上げるまでに3年かかりました。


ぱっぷすに寄せられた約1800名の被害相談のうち、600余名がポルノ被害に関する内容です。相談に訪れるのは若年女性だけでなく、何十年も苦しみを抱えてきた中高年の方もいますし、男性からの相談も寄せられています。


「私なんかが被害者って言っていいかわからないけど…」


ぱっぷすに寄せられる“ポルノ被害の声”とはどういうものなのか。なぜポルノ被害の#Me too は埋もれていたのか。拡散してから気がつくデジタル性暴力の被害の実態とはどんなものか。被害を自覚することが難しく、自分を責めてしまう相談者に接するときに私たちが大切にしてきたことはなにか。この本に書きました。


「1人でも、少しでも、救われてほしい」


出会ってきたひとりひとりの顔や声や表情が浮かぶからこそ、この問題を埋もれさせたくないと願っています。この本を通じて、ポルノ被害について、インターネットにのる性被害について、”性進国”ニッポンの深刻な人権侵害の実態について知り、一緒に声をあげてください。


最後に、2019年にがんで急逝した田口道子さん(ぱっぷす初代理事長)にこの本を捧げます。目の前の女性の社会背景を理解し、関わっていく方法、制度、社会資源を選択していくことのできる豊かな経験をもつソーシャルワーカーであった彼女の意志を引き継いで、これからもぱっぷすの活動を続けます。

 

『ポルノ被害の声を聞く デジタル性暴力と#MeToo』 ぱっぷす 編

発行:岩波書店 

発売日 ‏ : ‎ 2022/5/17

定価:1870円(本体1700円)

ISBN:‎ 978-4000615310

 

≪もくじ≫


はじめに 寄せられ続ける無数の#MeToo 北原みのり


第Ⅰ部 埋もれたポルノ被害の声を聞き続けて―ここに#MeTooがあった


第1章 AVが制作されるとき何が起きているのか―掘り起こされる性暴力被害 宮本節子

 第2章 AV事件の裁判をどう闘うか―被害の実態と法のギャップの中で 笹本 潤

 第3章 「本当に素朴な田舎の子だった」―被害当者の語りを聞く 岡 恵

 第4章 AV出演強要問題から考える「自発的でない同意」―「自由意志」と「強制」の狭間で 竹山明子


第Ⅱ部 インターネットに乗る性被害―量と質の異次元の展開


 第5章 インターネットが被害を無限に拡大する― 相談から見えるデジタル性被害の実態 宮本節子

 第6章 韓国でデジタル性暴力と闘う―DSOの活動から へオラギ、チャ・ウンハス、イ・ハンギ(訳イ・ジョンヒョ)

 第7章 オンライン・ポルノと性の人格権 中里見博


第Ⅲ部 ポルノの日本化ジャパナイゼーション― デジタル性被害を牽引する“性進国”ニッポン


 第8章 AVカルチャーを輸出するポルノ大国・日本 北原みのり

 第9章 「ゲイシャ効果」欧米は日本の性産業をどのように利用しているか キャロライン・ノーマ


座談会「苦しみへの共感から支援は始まる」 岡 恵 金尻 カズナ 北原 みのり 宮本 節子


おわりに ぱっぷすを支える人々 宮本節子

カバー装画「お友だち」大塚咲(写真家・画家)

 

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