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メルマガvol.144「デジタル性暴力とつきあいながら生きる私」


過去にAVに出演しその後ぱっぷすへ相談を寄せてくださった方から、このメルマガを読むみなさまへ向けて、文章を預かりました。

今回はご本人の許可を得て、その文章を掲載いたします。



私はデジタル性暴力の被害にあっている当事者で

過去にAV出演歴があります。

これを読んでいるのはどなたかわかりませんが、

悩んでいる方、同じ境遇の方、そういった支援をしている方

に向けて書いていこうと思います。



私が「デジタル性暴力」という言葉と出会ったのは、

3年前のことです。これはぱっぷすさんに相談した時に教えてくださった言葉です。



デジタル性暴力の被害を直接的に感じたのは、数年前になります。



悩んで苦しんだ数年間で、

今もその状況は続いております。


私と同じように

苦しくて仕方がない方いらっしゃいますよね・・・


私は様々な経緯があり10数年前に数本出演しました。

「身バレ」を恐れて

すぐに引退しましたが、引退後に身バレを経験しています。


それから時を経て違法アップロードにより動画の拡散や

オムニバス(再販売)といった同じ作品を何度も販売され続けました。



ぱっぷすさんに出会う前に、

販売停止申請に対応している機関に相談して販売停止の手続きをしましたが、

機関の対応範囲外の違法アップロードについては

弁護士さんに相談し削除の依頼をしました。

それは私にとって高額な費用でした。


過去の「AV出演」という

忘れたくて、目を背けたいことと向き合うのに

かなりの精神的ダメージがありましたが、

(身近な)誰にも相談できず

本当にもがきながら、様々な手を打ってきました。


余談ですが、各機関に

相談し始めたころは『AV』のワードを打てない・言えないくらい

拒否反応がありました。


相談機関や弁護士さんに連絡(メール)することも

一苦労でした。


弁護士さんへの依頼費用でお金も底をつき

「もう誰にも頼れない・・」

そんなときに出会ったのがぱっぷすさんでした。


ぱっぷすさんとの出会いは、自身がネット検索で

「AV  削除 相談」

などのワードでヒットして辿り着きました。


以前より、ぱっぷすさんというNPO法人があると言うことは

認知していたものの、

「個人情報が漏れたら困る」「本当に相談できる機関なのか」

など 相談に至るまでに少し時間がかかった事実もあります。


一歩踏み出そうと

ぱっぷすさんにご連絡したところ

最初は本名でなく良いこと

直接会ってお話しましょうと言うことで


初めてメールをしてから

2−3週後に相談員の方とお会いしました。


そこでは、

これまでのことをどうやってお話しようとプチパニック

状態でしたが、

段々と話せるようになり、


誰かに直接「悩みを話す」って

こんなに心が楽になることなんだな

って心の底から思ったことを

今でも忘れません。


そして、

相談のプロで

私と同じ状況の方のお話も知ってるだろう

ぱっぷすさんは今でも本当に心の支えとなっています。



その後もぱっぷすさんに寄り添っていただき、

対面でも何度か面談してただき、

オンライン、お電話、メール さまざまな角度から

支援していただき、なんとか生き延びることが

できています。



大袈裟な!と思われるかもしれませんが、

当事者の方はこの気持ちわかっていただける

のではないかと思っています。


現在でも

今後の違法アップロードによるAVの拡散の

不安や恐怖はあるのですが、

相談機関があると思うと徐々に不安や恐怖と上手く付き合えるようになっています。



<検索が止まらなかった過去>

違法アップロードによる動画が拡散されてないか初めて検索したのは

5年以上前のことです。

自分が出演したであろう作品の特徴を検索した結果簡単にヒットしたことが

きっかけです。

1度見つけてしまうと、「他でもアップされていないか」と気になって

さまざまなサイトに入り検索していました。

今考えるとゾッとしますが当たり前のように繰り返していた時期があります。

そんな時ぱっぷすさんに「自分で検索してなかなか出てこないものは見られてないよ」

と言葉がきっかけに徐々に検索を減らせたように思えます。


<AVに出演しないでほしい私の願い>

「職業選択の自由」「表現の自由」と言う言葉には共感しています。

「AV女優になりたい!」「AVに出てみたい!」その好奇心も否定しません。


しかし出演した作品はどこかで残り続けるのです。


「今の私」が良くても「10年後の私」は良くないかもしれません。

「私」が良くても「(もし出産すれば)子」が良くないかもしれません。

「私」が良くても「パートナーや夫」が良くないかもしれません。

もし仮に「10年後の私」は大丈夫でも「20年後の私」が大丈夫か

言い切れる方はいらっしゃるのでしょうか。



<今の私と向き合いながら・・・>

私がAV出演した経歴は消すことはできません。

激しく後悔し、全てなかったことにしたい。

なんて思うこともあります。

ただその願望は現実的できないお話です。

悲しくて仕方がない時もありますが

人生100年時代と言われている今、あと何十年(50年以上)

生きるかもしれないと考えると

「楽しく生きたい」「過去でなく、未来につなぐ今でありたい」

と考えています。

これは、AV被害にあっていない方も同じように思います。

そのため、私は過去を過度に気にしないよう心がけて

生きています。


どうかほんの1秒でも心が軽くなってもらえたら

嬉しく思います。



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