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PAPSメルマガ vol.76 第4回活動報告会の様子について


 今年度はじめての、通算第4回目の活動報告会を8月31日(土)渋谷区男女平等参画センターアイリスにて、18:30から20:30までの2時間行いました。告知期間が短かったにも関わらず定員30名のところ34名の方が参加してくださいました。若者から年配者、職域、所属団体等かなり広い範囲からの参加者で心強いと思いました。毎回の報告会では当事者の方も参加されています。

 前半は、支援員の岡が「若年女性が被害に遭わない仕組みを考える」というテーマで、現実に何が起きているかを中心に話しました。どのようにして被害に遭ってしまうかを知っていることが最大の防御になるからです。相談者から聴き取りした内容を個人が特定されないように細心の注意を払いながら、若者たちがどのような機会に、どのような話術や“えさ”につられて、自分の性的画像を送ってしまうか、あるいは、AVなどに出演してしまうか、これは危ないなと気が付く時もあるけれども、その時にはもう巧妙に断れなくされてしまうその実際などを語りました。事務局として後ろで聞いていても、思わず聞き入ってしまう迫力がありました。実際に数百人からの聴き取りをしている立場の人が蓄積してきた知見の持つ力です。

 後半は、支援員でありぱっぷすの理事長の金尻が「削除要請という新しい形のソーシャルワーク方法論」として、ぱっぷすが2017年ごろから積極的に開発してきた、動画や画像の削除の実施状況を中心に話しました。寄せられる相談のニーズに応えることがソーシャルワークの使命であるということでいえば、自分が出演してしまったAVの販売停止や拡散している画像・動画の削除、あるいはリベンジポルノとして拡散しているものなどの削除のニーズは極めて高い状況にあります。幸い、今年度は削除要員を雇う人件費の助成金が取れましたので、無料でみなさんの削除してほしいという願いに係ることができるようになりました。ただし、助成金は来年の3月までですので、来年度以降の人件費の目途は立っていません。

 動画や画像の削除をしている組織が既にありますが、これらの組織にはさまざまな制約があり、相談者の願いに全面的に応えることができていません。ぱっぷすではそのニッチなところに削除要請ができないか工夫をしています。

 既に、今年度は4000件以上の削除に関する要請を行っています。ただし、これには児童ポルノや無修正物などのように法的後ろ盾がないので相手の善意に頼るしかありません。しかし、6,7割は削除できている実績があります。今のところ試してみることが大事です。法的根拠のある削除要請の力は絶大で、児童ポルノの動画など要請することによって即座に削除された例もあります。今後は本人のネット上での「忘れられる権利の保障」の模索も大切と考えています。

 なお、今回の報告会では、岡、金尻の話では直接触れられていませんでしたが、ぱっぷすの支援には以下の大事なことが含まれています。

 画像や動画の削除を通しての支援の方法は全く新しい形ですので目立ちますが、その他にも警察への通報や同行、弁護士への依頼やその同行、再就職するための支援、医療機関への同行など多岐にわたるソーシャルワークを行っています。性被害に遭う実情をよく知っている支援員が心から共感しながら静かに話を聞くことも大切な支援の一つです。傾聴することによって被害を受けた人は何らかの生きる望みや希望を持つことができるからです。この支援方法は数値化できませんが、「聴いてもらえてよかった」「ほっとした」「自分一人で悩まないで行くことができる」等のお返事をいただくことがありぱっぷすの活動の励みになっています。

 ぱっぷすの相談支援は、こういったソーシャルワークと削除要請といった2つの柱で動いています。今後もこのような支援を、一人でも多くの困っている相談者の方に届けられるよう、是非皆様の応援をよろしくお願いいたします。


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