2024年4月活動報告
- Admin
- 2024年4月30日
- 読了時間: 3分
更新日:3月16日
1. 相談・被害支援の状況と変化
日々、多くの相談が寄せられており、特にセクストーション(性的脅迫)やAV出演被害の相談が増えています。相談対応の現場では、スーパーバイザーとスタッフが中心となり、一人ひとりの相談者に対して慎重かつ丁寧な対応が行われています。
最近では、LINEからiMessageへと移行した新たな脅迫手口やInstagramのアカウント乗っ取りといった悪質な被害も見られ、対応がますます難しくなっています。また、AV出演被害の相談も増加傾向にあり、これまではセクストーションの相談が中心でしたが、AV被害の掘り起こしが進むことで、より深刻な被害実態が明らかになりつつあります。ただし、AV被害は面談による対応が必須のケースが多く、人的リソースの不足が大きな課題となっています。
スーパーバイザーからは、「被害者の数は数万人いるはずだが、ぱっぷすを見つけて相談につながるのはごく一部に過ぎない」という深刻な危機感も示されています。
また、相談者の抱える背景には、親に相談できない若者や外国人加害者による被害といった複雑な事情も多く含まれており、法的対応だけでなく心理的・社会的な支援が不可欠であることが改めて確認されています。
2. 内部運営・経理・組織体制
ぱっぷす内部では、日々の経理業務や活動報告書の作成が継続的に行われており、行政や外部団体との膨大なやり取りが進められています。安定的な支援体制を維持するための努力が続けられている一方で、財政的には依然として厳しい状況が続いており、今後の資金調達が喫緊の課題となっています。
また、カフェやアウトリーチ活動の現場では、新規ボランティア向けのレクチャーや受け入れ体制の整備も進められており、質の高い支援を維持するための内部教育体制の構築も重要な取り組みとして行われています。
3. 社会発信・外部連携・法制度
AV出演被害防止・救済法の周知や、ホストクラブ被害に関する院内集会など、社会発信も積極的に行われています。ぱっぷすは国会での議論や行政との意見交換にも参加し、現場の被害実態や支援現場の課題について、政策決定者に直接伝える努力を続けています。
また、NHKやアベマ、ニュースZeroなどのメディアからの取材にも積極的に協力し、「現場の声」「支援の実態」を正しく社会に伝えることを心がけています。ただし、メディア報道の中には事実誤認や一面的な見方も見られるため、今後も正確な情報発信と誤解への対応が求められています。
4. アウトリーチ・カフェ・日常支援の取り組み
日々の現場活動としては、削除要請の支援、カフェの運営、アウトリーチ活動が継続して行われています。カフェでは、寄付された衣類の配布や春祭りなどのイベントを通じて、相談者が安心して過ごせる場づくりが進められています。また、必要に応じて、ハウスへの一時的な宿泊支援も行われ、緊急的な支援にも対応しています。
一方で、ボランティアの参加も募っており、支援の質を高めつつ、持続可能な活動体制を整えていくことが課題となっています。
5. 今後の課題と展望
今後もぱっぷすとしては、相談者の多様なニーズに応じた体制の拡充や支援方法の見直しが求められています。特にAV出演被害やセクストーションといった新たな性搾取の問題については、スーパーバイザーからも「被害者の声を拾い上げ、社会に届けること」の重要性が強調されています。
また、AV出演被害防止・救済法の2年間の激変緩和措置が終了間近となっていることから、法改正や制度の改善についても現場から積極的に声をあげ続ける必要があります。そのためには、被害実態に基づく資料の収集や証言の蓄積が不可欠です。
さらに、行政や法律家、メディアと連携しながら、支援の拡充と制度の改善を目指した多角的な取り組みが今後も求められていきます。
Comments