2024年10月の活動報告
- Admin
- 2024年10月31日
- 読了時間: 4分
更新日:3月17日
10月は、ぱっぷすの支援活動がどれだけ多岐にわたり、かつ緊急性の高い内容が多かったかが浮き彫りになりました。大量の相談により、スタッフの疲弊や支援体制の限界も見え、持続可能な支援をどう実現するか、体制強化や支援の質の担保、資金調達が重要な課題であると再確認された1か月でした。
1.相談対応・支援に関する限界と課題
毎日、多くのスタッフが新規相談や既存の相談者への対応を行っています。性被害や性的搾取、性病検査の同行支援、相談者の生活状況の確認、削除要請など、個別ケースへの対応が日々行われる中で、支援内容や方法についての試行錯誤や悩みも共有されました。
特に目立ったのは、児童ポルノ被害・悪質なポルノ動画投稿サイトMissAVに関する相談、自立に向けた支援の中での悩み(身元保証人の問題や住まいの確保など)、また自分を守りきれない状況での緊急対応の難しさです。10代前半の若年相談者の深夜対応では、所轄署を通じて「収容率の限界を超えている児相に行くべきか」「一時的な宿泊先を案内するか」といった難しい判断も迫られました。
さらに、相談者が支援団体を「使い分け」する状況が浮き彫りになり、支援者側としてどのように信頼関係を築くか、緊急対応の是非についても議論されました。相談者との距離感や自立支援のあり方について繰り返し話題にでました。
② 削除要請やシステム改善など技術的対応
削除要請の依頼が引き続き多く寄せられており、スタッフの努力によって弁護士でも削除できなかったサイトがぱっぷすの要請では消せたという報告もありました。あるスタッフは削除要請を「執念でやっている」ために日々の業務負担は大きく、改善が急務であることもわかりました。
また、相談管理システムやクラウド運用に関する技術的な課題や改善も日々共有されました。セッションタイムアウトの課題や、システムの不具合対応などが取り組まれており、ぱっぷすの支援活動を下支えするインフラ整備にも力が注がれています。
3.他団体や行政、企業との連携・課題
東京都や都内のとある区との連携、関係府省庁との意見交換、国際的な連携など、多様な外部との連携が進められています。また、「風俗は福祉」と主張する団体との考え方の違いが大きく、被害当事者支援の視点から議論が必要だという認識も強まりました。特に「福祉」の定義や被害女性の主体性をどう捉えるかについて内部で考え続ける必要があるとされました。
4. メディア・広報・社会啓発活動
メディア取材対応が継続的に行われ、デジタル性暴力の実態などについての発信の機会が増えています。また、「15歳からの社会保障」の紹介や、各都道府県での講演、カフェでのハロウィン企画なども含めて、社会的な認知と啓発が進められました。
一方で、セクストーションに関する相談件数が急増し、「無視すれば済む」ではなく「本当に拡散される」ケースが出始めており、早急な社会啓発や制度対応が必要との危機感が共有されました。
5. スタッフの体調・業務負担と支え合い
日々の支援活動に加え、スタッフそれぞれが自身の体調やメンタルのケアについても共有しています。特に風邪や体調不良、長期的な業務負担による疲労感が議論され、「チーム内で支え合う」「一人で抱え込まない」ことが呼びかけられました。
月末には、ぱっぷすの親睦会が行われリラックスして交流できる機会が設けられました。日々重い課題に向き合うスタッフにとって「心の支え」「気分転換」なればと思い実施しました。
6.ファンドレイズ(寄付・資金調達)活動
クリスマスレターなど、支援者への寄付呼びかけの準備が進められています。「寄付レターの文面や内容」についてスタッフ全体で考える機会が設けられました。助成金や支援金の活用も検討され、今後の活動資金をどう確保するかという喫緊の課題として意識されています。
7.書籍・リソースの共有
『15歳からの社会保障』の紹介や、スーパーバイザーを通じて、支援に役立つ知識や資料をチーム全体で共有する動きが続けられました。また、性的画像被害などの具体的な対処法を含めた事例集や支援ノウハウの書籍化の必要性も提案され、今後の課題として共有されています。
8. 内部運営・チームの課題
チーム内の「ソーシャルワークの基礎的理解」や「支援の振り返り」の不足が課題として共有されました。支援員一人ひとりの振り返りやチームでのケース会議の重要性が再確認されています。また、新規スタッフの研修や、カフェスタッフの稼働状況など、内部体制の整備も議論され、より良い支援を行うための体制構築が進められています。
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