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ぱっぷすの活動報告(2025年1月)

2025年1月、ぱっぷすの活動状況についてご説明します。


1. 相談支援・削除要請


2025年1月は、新規で394人からの相談が寄せられ、1カ月間で過去最高の相談人数となりました。特にセクストーションやリベンジポルノに関する相談が多くを占めましたが、アダルトビデオ出演や性産業に関する相談も継続的に寄せられています。電話相談は夜間から深夜の利用が多く、24時間対応の重要性を改めて認識しました。具体的には、迅速なブロックや報告に関する技術的支援、法的知識の提供、心理的なサポートの3つのアプローチが必要だと感じています。


相談電話対応中の様子
相談電話対応中の様子

セクストーションの最近の傾向として、Instagramのビデオ通話中に裸や性的行為をさせ、その映像を録画し、「支払わなければ拡散する」と脅す手口が増えています。支払い手段はAppleのiTunesカード、PayPal、Amazonギフトが多く、一度支払うとさらに追加の支払いを求められます。被害者の中には恐怖から金銭を支払い続け、結果としてさらに脅される状況に陥ってしまった人もいました。特に10代から20代の若年層の被害が多く、児童の場合は親に相談できず、「なぜ写真を送ってしまったのか」「なぜ相手を信用してしまったのか」と強い後悔や自己嫌悪に苦しまれるケースも目立ちました。


また、家族に相談できず、ひとりで抱え込んでしまう相談者も多く、「どこかで知らない人に見られているのではないか」という恐怖から、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。拡散された画像などについては、削除チームと連携し、迅速に削除要請を行っています。現在、意に反して拡散された性的画像・映像が、Cloudflare社のCDN(コンテンツ配信ネットワーク)を利用して拡散されるケースが増えています。加害者はCloudflareのサービスを利用することで匿名性を確保し、削除要請を回避しようとしています。こうした状況を受け、ぱっぷすの国際連携チームと削除要請チームではCloudflare社とミーティングを行い、日本の現状について話し合いました。企業側にもこの問題の深刻さを理解してもらい、被害者救済に向けた対応策を共に模索していきます。


2. アウトリーチ・夜カフェ・宿泊施設


1月のアウトリーチ活動では、都内の繁華街で主に10代後半から20代後半の女性188人に声をかけ、情報提供や必要に応じた支援を行いました。特に、荷物が多い、服装が寒そう、体調が悪そう、明らかにやせすぎている方など、未成年や若年層の動向が気になりました。実際に、10代後半の女性が買春客とホテルから出てきたところで声をかけ、支援を提供したケースや、「泊まる場所がない」と話す方に対しては、ひつじハウス(宿泊施設)に案内したケースもありました。「風俗をやっていたら、被害に遭うのは当たり前」という認識を持つ10代女性に対し、最近の法改正により、性的同意・不同意の基準が大きく変わったことを伝えています。実際に、同じような被害にあった方でも、加害者を特定でき逮捕できたケースや、被害にあっても適切なサポートを受けられることを説明し、カフェでの面談となり、具体的な相談やサポートを提供することができました。



<子どもや女性の健康・尊厳を破壊する捕食者たち>


捕食者たちは依然として若年女性や児童をターゲットにしており、日本人だけではなく外国人観光客と思われる者たちが児童買春をしています。実際に、ぱっぷすのスタッフがアウトリーチ参加中に買春の勧誘をされ、付きまとわれたケースも何度も起きています。


警察の取り締まりが強化されると、路上で過ごす女性の移動場所が変わり従来のエリアから屋内のある場所や隠れた場所へ移動されます。実際に売春防止法で逮捕された女性の中には「弁護士とは何か」を知らない方もおられ、収監中のサポートの必要性も課題として浮かび上がりました。


夜カフェ利用者数も増加し、1月は199人が利用しました。1日最大24人が訪れた日もあり、さまざまな理由でカフェに逃げ込む方が増えています。中高生の女の子たちのグループと20歳前後の女性のグループが分かれ、それぞれ利用目的にも違いが見られました。

夜カフェに届いた食料品など
夜カフェに届いた食料品など

3.法改正・政策提言


2025年1月10日には、鈴木馨祐法務大臣に対し、ぱっぷすが所属する刑法改正市民プロジェクトとして「性犯罪規定に関する改正刑法の適切な運用実施を求める要請書」を提出しました。ぱっぷすからは、インターネット上で性的な画像や映像が拡散される「デジタル性暴力」が、分単位で発生する深刻な人権侵害であり、放置すれば状況が悪化するため、対策を講じるよう要望しました。


鈴木馨祐法務大臣と面会
鈴木馨祐法務大臣と面会

4.みなさまのご支援につきまして


12月の寄付額は約106万円、1月の寄付額は48万円を超えました。皆さまの温かいご支援に心からお礼申し上げます。皆さまのご支援が、性的搾取の問題を解決する大きな力となっています。現在、さらに多くの被害相談が寄せられています。詳しくは3月のレターでご紹介できればと思います。




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