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メルマガ vol.98『ぱっぷすの正式名称は「ぱっぷす」~「ポルノ被害」訴え続けた10年の歴史~』






 ぱっぷすって何の略?良く尋ねられる質問です。

ポルノグラフィーの制作過程には甚大な性暴力が振るわれている現実を広く社会に知らせたいと組織的に継続的に社会啓発運動を進めていく母体として、2009年に婦人保護施設の職員、研究者、一般市民など有志が集まって「ポルノ被害と性暴力を考える会」という任意団体を立ち上げました。

 名は体を表すといいます。だから、私たちの活動を一番よく表す名前にしたいと設立当時寄ってたかって考えました。

活動の中心にいた婦人保護施設の職員たちは、利用者さんの現状を通してアダルトビデオの制作現場ではひどい(時には回復が極めて困難なくらいなトラウマをもたらす)性暴力が振るわれていることを知っていました。ポルノグラフィーは単に大人の性的嗜好を満足させるためのファンタジーなんかじゃない!制作過程、流通過程、消費過程には性暴力被害者が存在している!

“うん、だから、私たちの団体の名前から「ポルノ」って言葉ははずせないよね!”

“でもぅ・・、「ポルノ」って言葉の持つ響きは悪いよねぇ”

“「ポルノ被害」ってことを知らせていくにはこの言葉を外したら、意味、分かんなくなる”

“でも、でも、世間的には「ポルノ」って響きは・・”

10年前に会の名称をめぐって、堂々巡りの議論をした末に、ポルノはファンタジーなんかじゃなく実際に「ポルノ被害」がある以上、そして社会的にはその被害が認知されていない以上、「ポルノ」って言葉を使わざるを得ない、という結論に至りました。

だから、2009年に発足した会の名称は「ポルノ被害と性暴力を考える会」。

私たちは「ポルノ」という言葉に批判を込めて、胸を張って使用することにしました。

英語名は 

People Against Pornography and Sexual Violence

頭文字をとってPAPS、時にカタカナ表記でパップス、時にひらがな表記でぱっぷすとしました。

 2017年11月に「ポルノ被害と性暴力を考える会」としてNPO法人の法人格を取得しました。

より多くの方たちに寄付や協力を呼び掛けるとき、手続きの為に銀行や公的機関、医療機関との接触のとき、はたと立ち止まる場面が増えました。

視覚表現による性暴力の問題に関心があっても「ポルノ」という言葉のインパクトの強さゆえにはなからドン引きされてしまいます。

ぱっぷすのスタッフは公的医療保険に加入し、時に病院や診療所に受診します。でも、窓口で正式名称では呼ばれないのです。法務局でも同じ。他の団体はきちんと会社名が呼ばれるのに代表者の名前で呼ばれるのです。

「ポルノ」という言葉を使い続けて10年余。もう十分やって来たんじゃないか、という声が上がりました。

今年の6月、総会において名称変更が決議されました。

正式名称は「ぱっぷす」。

現在、法務局に定款変更の手続きをして東京都の認可の手続きをしている最中です。

 なお、英語の正式名称は

Organization for Pornography and Sexual Exploitation Survivors としました。

ぱっぷすという名称は、相談者の若い女性たちの何人かから、ひらがな表記のぱっぷすって名前、可愛い、すてき、といわれてきたことも後押しになっています。

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